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音質と音響効果の違い

2025-05-29
  音質とは、音の品質のことです。理解しにくい場合は、デジタル写真に例えて説明できます。
  ある写真の色が純正で、ディテールと階調が豊富で、明暗が正確であれば、その写真の「画質」は良いと言えます。画像処理ソフトで写真を処理し、色濃度を濃くしたり、コントラストを強めたり、シャープネス処理を施したり、アート効果を加えたりすることができます。こうすると一見写真はより美しく見えますが、実際には元の画質は損なわれています。
  ゼンハイザー IE80
  音質も同様です。イコライザーで高低音を強調したり、DFXプラグインなどを使用したりすると、聴感的にはより心地よく感じられますが、実際には多くの音のディテールが失われています。
  時には、音声や画像に対して処理や調整を加えることは、個人の鑑賞ニーズに合わせるために不可欠です。しかし、それを音質の向上と誤解してはいけません。要するに、処理やプラグインが多ければ多いほど、音質は損なわれます。
  もう一点、現在多くの人がどの再生ソフトの音質が良いかを比較しています。比較自体は問題ありませんが、適切な比較方法を理解する必要があります。さもないと知識不足を露呈することになります。
  私たちが音楽を聴くときは、多かれ少なかれプラグインを使用していることが一般的です。しかし実際には、そのような状態で比較しているのは音響効果(音効)であって、音質そのものではありません。音響効果の要素を取り除いた場合、実際に比較しているのは再生ソフトのデコーダー性能になります。同じデコーダーを使用する再生ソフト間では、差を比較することはほぼ不可能です。異なるデコーダーであっても、MP3デコード技術は既に成熟しています。差があったとしてもごく僅かです。一般的な家庭用PC環境では、その差を識別できると主張するのは自欺行為か、あるいは自分が比較しているのが音効であって音質ではないことを理解していないかのどちらかでしょう。