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マイクとミキサーのレベル関連知識

2025-05-29
  マイクの技術指標は選択および使用における重要な根拠である。その正確な意味を理解して初めて、マイクと音源の距離を合理的に設定し、音圧と電圧の変換関係を把握し、マイクが位置する音場の音圧レベルを正確にミキサー入力端のレベルに換算できる。これによりミキサーの入力ゲインを決定し、最高のS/N比と最低歪みのリニア信号を得られる。
  では、ミキサーの入力と密接に関連するマイクの指標は何か?またそれに基づいてミキサーの作業レベルを如何に決定するか?
  一 幾つかの重要指標の意味
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  放送用マイクの技術指標は約10項目あり、音源とミキサーにとって最も重要なのは以下の3つである:最大入力音圧レベル、感度、最大出力レベル。最大入力音圧レベルは、マイクが0.5%の総高調波歪みを生じる最大音圧レベルの耐性を示し、音圧との関係は次のように定義される:
  0dB SPL=2×10-5Pa
  プロ用マイクの最大入力音圧レベルは一般に高く設定されており、音源との距離が適切であれば、可聴歪みは生じない。従ってここでは、ミキサーの作業レベルに直接影響する後者の2指標に重点を置いて議論する。
  1. 感度
  感度は、単位音圧励振下でのマイクの出力電圧と入力音圧の比であり、単位はmV/Paである。回路のレベル測定と整合させるため、感度はデシベル値でも表せる。初期のデシベルは主にdBmおよびdBV単位で表された:
  0dBm=1mW/Pa、すなわち1Pa入力音圧下で600Ω負荷に与える1mWの電力出力を0dBと定義;
  0dBV=1V/μbar、1μbar入力音圧下で生じる1Vの電圧出力を0dBと定義。
  現在のデシベルはdBμ単位で表される:
  0dBμ=0.775V/Pa、すなわち1Pa入力音圧下でのマイクの0.775V電圧出力を0dBと定義(これによりマイクの音圧-電圧変換後のレベル測定は、回路で一般的に使用される0dBμ=0.775Vという基準単位に統一される)。
  明らかに、感度が如何に表示されていても、入力単位をPaに統一する前提で、全てdBμに変換できる。
  例:NEUMANN U89マイクの感度は8mV/Paであり、
  20lg[(0.008V/Pa)÷(0.775V/Pa)]
  により、その感度は約-40dBμと求められる。
  別例:AKG C414マイクの感度は-60dBVであり、
  0dBV=1V/μbar=10V/Pa
  より、1Pa音圧下での-60dBVの出力電圧Xをまず求める:
  20lg[(X V/Pa)÷(10V/Pa)]=-60
  これよりX=0.01(V)、即ちその感度は10mV/Paとなる。次に式
  20lg[(0.01V/Pa)÷(0.775V/Pa)]
  により、その感度は約-37dBμと求められる。
  2. 最大出力レベル
  最大入力音圧レベル下でのマイクの出力レベルが最大出力レベルである。最大入力音圧レベルがマイクと音源間の距離を制限するのと同様に、最大出力レベルは直接ミキサーの入力作業レベルを決定する。所与のマイクにおいては、感度と最高音圧レベルが既知であれば、その最大出力レベルを算出できる。
  再びNEUMANN U89マイクを例とする:感度8mV/Pa、最大入力音圧レベル134dB SPL(10dB入力減衰時)。まず入力音圧レベルを音圧に変換し、感度から最大出力レベルを求める:0dB SPL=2×10-5Paであるから、最大入力音圧Xは
  134dB SPL=20lgX/2×10-5Pa
  よりX=100(Pa)と求められる。感度8mV/Paより、100Pa時の最大出力は800mV、出力レベルに換算すると:
  20lg[(0.8V/Pa)÷(0.775V/Pa)]
  約0dBμとなる。これがU89マイクの理論上の最大出力レベルである。実際には、通常ノイズ低減のため10dB減衰モードは選択されないため、マイク設置距離が適切であればU89前方の最大音圧レベルは通常モード時の124dB SPLを超えず、その最大出力レベルは通常0dBμより大幅に低い。
  二 ミキサー作業レベルの決定
  技術的には、ミキサーの作業レベルは、その最大信号レベルがメーカー設定の最大ヘッドルーム上限を超えない範囲で規定される(実際の作業レベルは番組の要求に基づいて決定される必要がある)。ここで最大ヘッドルームとは、総高調波歪み指標下での最大レベルと0dBμ以上のレベル範囲を指し、図示の通りである。
  従って、マイク側で音源の想定最大音圧レベルとマイクの感度が既知であれば、対応する最大出力レベルを算出できる。このレベルとミキサーのヘッドルーム上限との差が、ミキサー入力段即ちマイクプリアンプ(略称マイクプリアンプ)の入力ゲインとなる。このゲイン下の信号レベルがミキサーの作業レベルである。
  収録音源をコロラトゥーラソプラノとし、U89マイクとAMEK RemBandtミキサーを使用する例で説明する:マイクから70cmの位置での音源最大音圧レベルが112dB SPL(ピーク値、A特性)と仮定し、マイクの最大入力音圧レベル124dB、感度8mV/Paの場合、式
  112dB SPL=20lgX/2×10-5
  より112dB音圧レベルは8Pa音圧に相当し、8Pa×8mV/Pa=64mVの電圧出力、即ち出力レベル:
  20lg[(0.064V/Pa)÷(0.775V/Pa)]=-22dBμ
  このレベルを、70dBマイクプリアンプゲイン、総高調波歪み0.017%時のマイクプリアンプ段ヘッドルーム12dBμ(このミキサーのラインプリアンプ段ヘッドルームは28dBμ)のミキサーに接続後、+12dBμの上限までには34dBの余裕(+12dB-(-22dB)=34dB)があり、これがミキサーに設定すべき入力ゲインとなる。これによりミキサーの作業レベルが決定される。
  実際の操作では、最大信号レベル時の総高調波歪みが0.017%未満であることを保証するため、通常は上記マイクプリアンプゲインを数dB下げる。下げる幅は以下の方法で決定する:まずチャンネル、モニター、マスター出力の3つのフェーダーを全て0dB作業位置に設定し、入力・出力の音量メーターを観察し、その指示が正常範囲にあることを参照基準として減衰量を決定する。