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ヘッドホンアンプとは

2025-05-29
  ヘッドホンアンプ(ヘッドホン増幅器)は「耳増(みみぞう)」とも略称されます。ヘッドホンシステムにおいて、音源とヘッドホンの間にヘッドホン用パワーアンプを追加することで、音質の改善やシステムの音色の傾向調整が可能になることは、ヘッドホンオーディオ愛好家の間で定説となっています。特に1万円以上の高級ヘッドホンでは、ヘッドホンアンプ使用による音質改善効果が顕著に聴き取れます。
  一般的な音源(CDプレーヤーなど)には大抵ヘッドホン出力ジャックが装備されていますが、そのジャックの背後の回路や使用部品は概して非常に平凡です。CDプレーヤーを例にとると、通常は4556や4558などのオペアンプ1個で増幅しており、コストは数円程度であり、その音質は推して知るべしです。比較的高級なCDプレーヤーであっても、ヘッドホン増幅回路が「ハイエンド」水準に達している例は稀です。
  ある100万円級のCDプレーヤーでさえ、そのヘッドホン増幅部にはJRC4558を2個使用しているに過ぎません。ほとんどのダイナミック型ヘッドホンの駆動には十分ですが、高い基準で評価すれば依然として不十分であり、高級ヘッドホンの真の実力を十分に引き出せません。また、マランツCD17以降のモデルなどの中~高級音源では、音質を保証するためにヘッドホンジャックを設けず、ヘッドホンアンプとの併用必須としているものもあります。
  ヘッドホンアンプの役割
  ヘッドホンアンプはヘッドホン専用に設計されたパワーアンプで、主に中~ハイエンドの高インピーダンスヘッドホンの駆動を目的としています。一般的なヘッドホンのインピーダンスは通常16~32オームですが、中~高級HIFIヘッドホンでは良好な低域応答を得るために高密度コイル・ロングストローク設計が採用されることが多く、この場合ヘッドホンの直流インピーダンスは200~600オームに達します。
  一般的なポータブルプレーヤーやパワーアンプは低インピーダンス出力設計であるため、このような高インピーダンスヘッドホンに接続すると出力電力が数分の一に低下し、周波数特性が破壊されます。これは、最終段のパワートランジスタが線形領域で動作しなくなるためです。ヘッドホンアンプはこれらの高インピーダンスヘッドホンに対応できます。同時に、ヘッドホンアンプは出力電力を向上させる基盤の上で、音質・音色を調整し、個性を形成することが可能です。
  おすすめヘッドホンアンプ
  1、SPL Phonitor 2730
  マッチングヘッドホン:ゼンハイザー HD800
  参考価格:180,000円
  SPL Phonitor 2730は、トップクラスに位置付けられるバランス入力・出力のヘッドホンアンプです。ドイツの老舗録音モニター機器メーカーSPL社が製造しています。SPL Phonitor 2730は、様々なヘッドホンやインピーダンスに合わせて使用するための多機能調整を内蔵しています。また、本機はフルバランスインターフェースを採用しているため、音源入力及びヘッドホンのインターフェースはバランス接続に変更する必要があります。
  2、ベイヤーダイナミック A1
  マッチングヘッドホン:ベイヤーダイナミック DT880、DT990、T1
  参考価格:99,000円
  完璧と言える耳増は存在するのか?ベイヤーダイナミックA1はその典型例です。ベイヤーダイナミックA1耳増の部品は豪華とは言えませんが、その総合性能と聴感はレーマンやSOLOなどの有名耳増を大きく凌駕し、ベイヤーDTシリーズの高級ヘッドホンと組み合わせることでその実力を最大限に発揮します。特に10万円級ヘッドホンT1を駆動する際には、極めて優れた音響性能を得ることができます。
  3、O1 海外版
  マッチングヘッドホン:AKG K701、DT990
  参考価格:45,000円
  O1海外版はDACモジュールを内蔵したヘッドホンアンプで、高コストパフォーマンスを追求するユーザーにシンプルなソリューションを提供します。本機は光デジタル、同軸インターフェースを備えており、これらのインターフェースを持つPCや据置型CDプレーヤーに接続可能です。同時に、内蔵のアンプ部は効果が顕著で、特にクラシック交響曲の再生において高い評価を得ています。