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スタジオとアフレコスタジオでの録音

2025-05-29
  テレビ局のスタジオやアフレコスタジオは音響専門家によって入念に設計・建設されている。遮音条件、吸音条件、残響時間、あるいは装備されたマイク、ミキサーの性能品質はどれも録音要求に比較的合致しており、一般的には満足のいく音声を録音できる。しかし、高品質で明瞭、明るく、豊かで、円潤な音声、つまり美声の要求を満たす音を録音するには、やはりいくつかの録音技術が必要である。
  アナウンサーや司会者がスタジオで映像に映る場合、録音と録画は同時に行われ、またマイクの設置位置は画面効果も考慮しなければならない。画面をクリーンに保証するため、マイクは通常画面に映らない。このような状況下で高品質の音声を録音するには、マイクの形状が非常に重要であり、超指向性コンデンサーマイクまたは小型のラベリア(ピン)マイク(これもコンデンサーマイク)を選ぶのが最良である。これら二種類のマイクはどちらも画面構図の要求を満たし、かつコンデンサーマイクは伝送効果が良く、録音した音は透明感がありクリーンで歪みが少なく、忠実に再現される。
  ただし使用時は、話者の口とマイクの距離が適切であることに注意する。マイクに近すぎると近接効果(Proximity Effect)が発生しやすく、低域が強調され、音が死んで「水分」を失って聴こえる;マイクから離れすぎると残響が増加し、音が不明瞭で空虚に聴こえる。そのため、使用時には何度か実験を行い、最終的に適切な距離を決定する必要がある。超小型ラベリアマイクで収音する場合、マイクヘッドの装着位置(胸の第二ボタンの位置に付けるのが最も適切)に注意する。このマイクは指向性があるため、録音時には司会者やアナウンサーは頭を大きく振らないようにする。そうしないと、音量や周波数特性に明らかな変化が生じ、録音効果に影響する。アフレコスタジオでの録音時は、映像に映らないため、多くのアナウンサーはマイクに近づいて録音するが、この時録音レベルを大きくしすぎないよう絶対に注意すること。さもないと、アフレコしたテレビ番組の音量が他のテレビ番組の音量と一致せず、音が急に大きくなったり小さくなったりする現象が生じ、さらに過負荷歪み(Overload Distortion)が発生しやすくなる。
  通常アフレコスタジオの空間は非常に狭い。もしモニタースピーカーがアフレコスタジオ内に設置されている場合は、録音時にはモニターをオフにする必要がある。さもないとハウリング(音響フィードバック)を引き起こしやすく、録音した音も空洞感を持ってしまう。スタジオやアフレコスタジオでの録音内容は主に言語であるため、録音時の接続方法はバランス入力(平衡入力)を選択すべきである。これにより優れたノイズ耐性が得られる;同時にミキサーのイコライザーは中域をできるだけフラットに保ち、100Hz以下の信号をカット;6KHz以上の信号をカットするか、6KHz付近を約5dB減衰させ、干渉を減らし、言語明瞭度を保証する。もし前述したような低域残響現象が発生したら、低域をもっと削っても良い。3KHz-4KHzを3dB-5dBブーストすると、言語明瞭度を高め、満足のいく音質を得られる。